研修修了生からのメッセージ

東京から来てゼロから農業をはじめた

農事法人 多里生産組合 東京からIターン 長谷川 直人さん 東京都出身。大学卒業後、TVドラマの 制作会社勤務を経て、平成21年、 農林業研修制度を利用し、日南町にIターン。 研修後、多里生産組合は就農。 Iターン後、 結婚。家族は妻・彩湖さんと 3人の男の子。
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転職のひとつとしての農業だったということですが、日南町との縁は?

前職がテレビドラマの制作現場に携わっていたので、とにかく昼も夜もない不健康な生活で、3年を区切りに次の仕事を探したとき、単純に農業もいいかなと。 それで全国の情報を集めていたら、日南町の「農林業研修生募集」というのが目に留まって。 当時はまだ行政の研修制度というのがほとんどなかった頃で、農業に関する知識がまったくなかったので、いきなり法人に行くよりも行政の方がいいかなという思いは何となくあったので、すぐに応募しました。 日南町には面接ではじめて来て、運よく第一期生として採用していただいて、現在に至る、という感じです。 だから、何の知識もなく、ふわっとした感じで来たというのが本当のところです(笑)。26歳のとき単身で来て、丸10年が経ちました。

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2年間の研修プログラムは?

最初の1年間は町内の各農家を1~2週間ごとに回り、作業を手伝いながら農業を一から勉強しました。 法人や、県がやっている園芸試験場で栽培技術も学び、ひと通りの経験をさせてもらいました。 2年目はハウスを借りてトマト栽培と、畑でピーマン、ナス、ブロッコリー、ほうれん草の実作をしながら、地域振興公社(現・産業振興センター)の指導員や農協の営農担当、県の改良普及員、地元の農家さんなど、たくさんの方々が手厚くサポートしてくださいました。

営農ではなく、法人に就職して農業という道を選んだのは?

当時は色々な作物を作りたいという思いがあったのですが、研修2年目で実際に多品目栽培をやってみたら、これはとても一人じゃ厳しいなと現実を知りました。 あと米も作りたいという思いもあったので、法人なら色々できるだろうと、多里生産組合(農事法人)への就職を決めました。今は、ピーマン、トマトを中心とした野菜と、米、りんごなどの栽培をしています。

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住まいや子育て、日南町での暮らしはどうですか?

日南町にIターンして8年目、31歳のとき地元の女性と結婚しました。住まいは日南町役場のすぐそばの新しい団地の一軒家を借りていて、家賃は35,000円。 古民家とか想像するかもしれませんが、築20年のオール電化住宅です(笑)。同世代のファミリー層も多く、ご近所さんとよくバーベキューをしたりしています。 地域の人たちが親切で、野菜をあげたりもらったりは日常。近所のおじいちゃんやおばあちゃんたちが子どもたちをよく可愛がってくれます。 自然も豊か、保育園や小学校も徒歩圏内にあって、地域の人に見守られながら子育てできる環境で、ほんとに恵まれているなと思います。

就農して10年経って、あらためて農業の魅力を感じるのは?

単純だけど、収穫したものが食べられる喜びですね。自然に左右されてうまくいかないことも多いですが、今はだいぶ農業についてわかってきたかなという段階です。 例えば、病害虫なんかも、最初の頃はまずその病気が何かがわからなかったけれど、今は完全に抑えることは無理でも、早めに対策ができるようになった。 自然を相手に、経験と技術を積み上げて、 少しずつ品質がいいものが収穫できるようになっていくことが、やはりモチベーションにつながります。

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最後に、UIターンを考えている人にメッセージを。

僕自身、当時若かったのもあって、肩ひじ張らずに日南町に来て、来るものを自然に受け入れていったのが良かったのかなと思います。 田舎は人間関係が濃密なので、それを楽しめなきゃ正直厳しいかなと。 僕も1年目から青年団に参加していますが、今日南町は若い人たちが自分たちの地域を元気にしようという動きがあるので、地域おこしや地域貢献をしたい人には、逆にチャンスだと思いますよ。